トークイベントでいただいた質問の回答です。
イベントで既に回答したものもありますが、やはり瞬時に自分の考えを言葉にするのは苦手で上手く答えられなかった部分もあるので、改めて回答しております。

※私は専門家ではないので、あくまで個人の意見として捉えていただければと思います。
完全に専門的な知識(支援方法や場面緘黙の知識的なもの)を求められているものについては、高木先生に向けた質問だと思うので除外させていただきました。
先生への質問について、当日答えられなかったものは本を読んでくださいとの事でした。
(先生のご本↓
イラストでわかる子どもの場面緘黙サポートガイド
学校における場面緘黙への対応:合理的配慮から支援計画作成まで
※イラストも沢山描かれていて、知識のない人でもわかりやすいのがサポートガイド、文字数も多く場面緘黙をガッツリ学びたいなら学校における場面緘黙への対応が個人的にはおススメかなと思います。)


〇外と室内ではどちらの方が楽ですか?

 ・私の場合は一人で過ごしたり、少人数で静かに過ごすのであれば室内ですが、大人数でわいわいする場などは室内だと音が響いて頭が痛くなったり非常にしんどいので、ひらけていて音の響かない外の方が気が楽です。(気が楽と言うかまだマシという感じですが…;)
場面緘黙の人は人目が気になる方、大きな音が苦手な方も多いと思うので、総合的に言えば室内の静かで落ち着ける環境が一番楽な人が多いのかな…?と思います。
(しかし私はカフェなどの、普通の人が静かで落ち着くと思っている場所でも、人の話し声や密集度によってはしんどくなるので、楽の基準は当事者自身に確認したほうが良いと思います)


〇私は中高で話せず、人に話せる思い出や出来事がありません。
「小さい頃はどんな事してた?どんな子だった?」の問いに答えられません。
モリナガさんは初対面の人に会った際など、どのように答えていますか?

 ・イベントでもお答えしたのですが改めて…!
私も子供の頃の楽しい思い出は、人に話せるような事は思い浮かばず、苦しい思いをしてきました。
かといって楽しい思い出をでっちあげるのは後々自分の首を絞めるし、自分でも辛いし、かといって素直に答えても場が盛り下がるよな…とか色々考えてしまいますよね。
なので私は最近は、「暗くならないように、言って自分が傷つかない範囲で嘘ではない事を、軽い感じでサラッと言う」ようにしています。
「いや~私若い頃はめっちゃコミュ障(コミュ障という言い方は好きではないのですが、一般的にこの言い方が一番伝わりやすい)で、全然話せなくて色々必死だったからあんまり良い記憶がないんだよね~」
とか。
大体「え~そう見えないよ~」とか「今は話せてるじゃん」とか返ってくるので
「話せるようになる為にめっちゃ頑張ったんだよ!でも今でも結構挙動不審になったり、変なところで言葉に詰まっちゃったりするけどねww」
ってまたしても嘘ではない、前向きな感じの返しをする…といった感じです。
しかもこの返しによって、変なところで言葉に詰まるという、今も自分で不安に思っている事も相手に伝えられて、今後気が楽になるし…!
こういうのが良い!というよりも、自分で過去の事を聞かれたときにどう答えるか、自分的に楽なテンプレートをあらかじめ考えておく、といった感じですね。
話せなかった事言ったら引かれちゃうかな…?とか思ったりもしましたが、そもそも話せなかった過去の話をちらりとしただけで引いたり、いじってくる人とは、初対面以降もうまく付き合えるとは思えないので、自分を無理に取り繕う必要もないのかなと最近は思い始めました。


〇自分の好きな所と苦手な所を教えてください。

 ・苦手と言うか…自分の事は全てにおいて嫌いです。これは多分今後も変わりません。
でも自分は自分以外ににはなれないので、嫌いという事を受け止めて、客観視して自分を大事にしようと取り組めている自分の事は好きです。
嫌いと言うと結構悲しまれてしまったりするのですが、でも私の生きる原動力は基本的にネガティブさやコンプレックス等マイナスな所から来ているので、無理に好きになる必要はないなと、最近は気楽に思っています。


〇髪を一部赤く染めてらっしゃるのが目につきましたが、自分は派手な性格だと思いますか?
それとも暗い・大人しい性格だと思いますか?

 ・イベントで回答したのですが、基本的には暗いし大人しい性格です。
でも昔から大人しそう~とか思われると、ますます委縮してしまい上手く話せなくなったりするので、私の場合は見た目を派手に…というか自分なりに気合を入れる事で精神的にも武装しています。
気合を入れたいときほどメイクも濃くなって、後から濃すぎてキモイな!!と後悔したりしますw
髪にインナーカラーを入れたのもトークイベントで気合をいれる為でした!


〇子供の頃、親御さんからどのような接し方をして欲しかったですか?

 ・イベントでも回答しましたが、咄嗟に上手い事言えずすみませんでした…!
正直な事を言うと、私はあの親にしか育てられていないので、どう接してくれるのが良かったのか、親子の健全な関わり方というものが実体験としてはわからないんですよね。
だから「こういう関わり方っておかしいと思うんだけど、どう思います?」って他の方々に確認したくて漫画を描いたという面もあります。
私の「こうして欲しかった」はただの理想の親の図であって、実際の親の接し方の正解とはイコールは思えなくて、軽々しく答えられない所があります。  
でも一つ言えるのは、いざという時に(私がいじめられた時、性被害に遭った時、酷い頭痛で吐いている時、病院で精神的な問題を指摘されたとき…)いつもなぜか私が悪いことになっていたんですよね。
そんな時に私の為に加害者を怒ったり、私を守ろうとしてくれる存在であって欲しかったなと思います。



〇場面緘黙の子がいたらアメさんはどう接してあげますでしょうか?

 ・場面緘黙かはわからないけど、過去の私に非常に似ているなという人と何度か出会ってきました。
最初の頃は自分もそうだったからこそ、その子が今どう感じていて話せなくなっているのか等を感じ取ってはハラハラ一緒に不安になってしまっていたのですが、例えその子の気持ちが分かったとしても、自分もそこで不安になっていたらその子の力にはなれないんだなと思ったので、
できるだけドーンと構えて、その子にとって「この人なら頼っても大丈夫」って思える人になろう、と思っています。
気を遣われている事がわかると余計委縮してしまったりするので、できるだけ他の人と接するのと同じ感じで「そういえば○○やりました?」とか「○○やって貰っていいですか?」とか、その子がその時困っていそうな事についてこちらから声をかけたり…
あと、自分が過去に「そんな事も出来ないの?・そんな事で不安になるなんて・普通○○じゃないよ」と、自分でもどうしようもない事について責められるのがとても辛く、そして状況を悪化させてきたので、誰かと比べたりしないで、些細な疑問なども答えられるようにしています。
…といっても自分にも余裕のある時でないと完璧にするのは厳しいので、上手くできているかはわからないのですが…!
そして↑これは職場での話なので、もっと小さい子だとまた関り方は変わってくると思いますが…。


〇自分が場面緘黙だという事を知ってから自己否定が和らいだという事を話されていましたが、小さい頃(小学生とか)から伝えたほうが良いと思われますか?
いつ本人に伝えるべきか悩んでいます。

 ・これは私もよく考えているのですが、場面緘黙=普通にならなければという思いとの戦いだった私が、まだ緘黙状態の酷い小さな頃に「あなたは場面緘黙だよ」と言われていたら、納得するよりもショックを受けていた可能性の方が強い気がするんですよね。
「ああ、私は普通じゃない枠に入れられようとしているんだ…!」みたいに思ってしまって。
私の場合は大人になってから場面緘黙を知った訳ですが、それでも結果的には楽にはなったものの、知った当時~半年以上はものすごく「場面緘黙」という病名に自分が引きずられているのを感じました。
自分は 場 面 緘 黙 だったんだ…!!!!!!!!!!!」というのが頭から離れなくなって、症状を意識するあまりに、話す事への違和感や緘動の時のようなぎくしゃくさがぶり返しました。
これは、「自分が一度話せない子と思われると、そのイメージを破って言葉を発するのがより困難になる」時と同じような、「場面緘黙という自分につけられた病名のイメージを破って、自分らしく振舞うのに困難を感じている」状況だったのだと思います。
高木先生は場面緘黙だと伝えるのではなく、「話せなくて困っているんだよね?なら困りごとがなくなるように一緒に頑張ろう、とその子に話す」といったアプローチの仕方をお話されていましたよね。
私もイベント後も色々考えてみて、場面緘黙だと伝えるよりは、「話せなくて困っているからそこを改善していこう」という事についてをアプローチしていくほうが確かに良いなと思いました。
しかし場面緘黙の認知も広まっている今、親御さんが話さなくても子供が自分で場面緘黙を知る機会もあるかもしれません。
場面緘黙だという事を伝えるのが悪いというよりは、普通じゃない枠に入れられようとしている、という考え方に至ってしまったり、自分で場面緘黙の症状に寄せて行ってしまう…その殻を破れなくなってしまう、といった性質にこそ改善策が必要だと思うので、そのことについて病院の先生などと相談するのが良いかもしれません。


〇子供の将来の選択肢を増やすという意味では本人が多少嫌がっていても、色々と挑戦させた方が良いのでしょうか?
現在すべての事に対して拒否気味です。

 ・高木先生も仰ってましたが、場面緘黙の人は初めての場所だったり物事だったりに特に恐怖や不安を感じやすいんですよね。私もそうです。
なので何か新しいことをやる時のハードルはとても高いです。
以前描いた私の友人のパターン(https://www.pixiv.net/artworks/63445908)とも似ていますね。
でも色んな挑戦をすればするほど選択肢が広がる、というのは私もその通りだと思うし、私自身子供の頃に色んな経験をして「普通こそ正しい」「絵を描く事は下らない」以外の価値観を知る事ができていれば、こんなに長く苦しむこともなかったのかなと思います。
無理に続けさせることは良くないですが、少し慣れるまでは様子を見て色々挑戦するのは大事かなと思います。
ただ、私は無理な事を伝えた時に「お姉ちゃんと違ってアメは何も続かない、ワガママ」「お金が勿体ない」などと誰かと比べて責められて、自己肯定感を無くしていくばかりでした。
色々挑戦をさせる事に対して、押しつけにならないように、本人がどんな事に興味を持つのかが上手く見つかるといいですね…!
(しかしこれは私の考えなので、どうか親御さんも無理されませんように…!)


〇私も元当事者で、基本的には問題なく話せているのですが、大学のソーシャルワーカーさんや相談室の心理士さん、通院している精神科の先生などに自分の困りごとや悩みを言うとなると言葉が出てこなくなってしまいます。
モリナガさんは通院やカウンセリングで自分の事を話すのには抵抗はありませんでしたか?

 ・私の場合は知らない人となら話せるタイプだったし、カウンセリングでは最初に「守秘義務があるのでここで話した事は漏れる事はありません。なのでアメさんの思ったことをどんなことでも話してくださいね」と言って貰えて、むしろ私こんなにスムーズに話せたんだという位に話せた、という話をしましたね。
改めて質問を読ませていただいて、大学のソーシャルワーカさん、相談室の心理士さん等、自分の日常に近い所にいる人だったら、もしかしたら私もブレーキがかかって上手く話せなかったかも…とも思いました。
あくまで私自身の性質を考えての事なのですが、私は初めての場所に行く時は特に不安を感じて、その場所のしきたりや、物事の流れがわかっていないと上手く動けなかったり話せなかったりします。そして最初に上手く行動できないと、次の時も「いきなり普通に話したら変かな…」などと思って話せないままの自分ができあがってしまう、というパターンが過去にはよくありました。
既に質問者様は専門的な機関とは繋がっているので、そうした場所での流れはもうご存知かと思います。なのでいっそ、そうした最初の流れを知った今の自分で、全く新しい病院等でカウンセリングを受けてみるのも手かなと思います。
大学と繋がっている所だと、自分と合わないからキッパリと縁を切る!ってできないし、後々の事を考えて、自分の素直な思い等を伝えるのもためらってしまうというのもあるのでは…?と思うので…!
※私とタイプが違う方だと全然参考にならないかもですが、すみません…!
あと、メンタル系の仕事をしている方は、やはりその方自身も過去に自分や身近な所でメンタル的な問題と遭遇してきた方ばかりです。そして仕事としているからにはその道のプロなので、どんな事を言っても変に思われることはないし、むしろその人の勉強に貢献するつもりで自分の思うがままの事を言ってしまっても大丈夫です!上手く話せなくても、「成程、これが場面緘黙(の後遺症的なもの)なのね…!」などと参考になっているはずです!(という考え方をして、私は病院で思うがままに話をしました。)(中には嫌な感じの医者もいますが、そこで自分が傷ついたり委縮する必要は全くないです。)


思いのほか沢山質問を頂いたのでその2に続きます。


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場面緘黙漫画書籍化しました!
WEBに載せている「かんもく少女が~」を再構成・加筆修正し、描き下ろし&日本緘黙研究会会長による解説も加えています。

よろしくお願いいたします。


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