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今回は文字でも補足と言うか…伝えたいことを長文で書かせていただきます。

〇場面緘黙と家庭環境の話
「場面緘黙の発症に家庭の問題が影響しているとは限らない」これは前作でも描いた事であり、私の漫画では家庭の問題も多く取り上げている以上、場面緘黙=親が原因と決めつけるような誤解が広まる事のないようにというのはずっと考えてきた事です。
しかし、そうした誤解が広がる事・当事者の親御さんが誤解に苦しめられる事を危惧するあまりになのか、
自分の場面緘黙の要因に親との関係を挙げる当事者を弾圧するような動きや、「家庭環境の問題を場面緘黙の発症と結びつけるのは”間違え”である。」と言い切ってしまっている場面緘黙の記事を目にすることが最近何度かありました。
しかし機能不全な家庭で育った私としては、その流れもまたとても恐ろしいなと思っています。

以下去年の11月に行った場面緘黙のトークイベントで私がお話した内容の一部を載せます。↓

「場面緘黙で話せなくなるのは、親が甘やかすからだとか逆に虐待をしているからなどと、家庭の問題が主な原因だという誤解がいまだにあると思います。
私自身も自分の話せなさの要因は何か一つだけではなくて、気質や様々な出来事だったりが複雑に絡み合って、とにかく話せなさと繋がりやすい性質に生まれてしまったんだなと実感していますし、誤解によって傷つく人が増えてほしくないと強く思っていています。

それが大前提の話なのですが、
場面緘黙についての記事を読んでいると「場面緘黙は家庭環境のせいというのは間違え」と強い言葉で言い切っているものを見かけたりするのですが、そう言い切るのも怖いなと感じています。
   
漫画を読んでくださっている方はご存知かと思いますが、私の育った環境は母がカルト宗教に入信していたり、父や祖父がDV気質だったりと、とにかく抑圧的になる事を強いられていたのですが、
そんな実家を出て家族と距離を置いてから、私は人への恐怖が薄まったり、話せなさが改善していった面もあるので、やはり私の場合は緘黙を悪化させていた要因の一つとして、家庭の影響も大きいと考えています。

なので、場面緘黙=家庭の問題と直結させる事は間違いではありますが、家庭の問題によって辛い目に合っている場面緘黙の子達が「親のせいではない」と言い切られてしまう事によって、逃げ道を塞がれてしまわないかというのも気になっています。」
(引用終わり)

対談させていただいた高木先生(場面緘黙を研究されている教授)からも、確かに家族の機能不全は場面緘黙の主たる原因ではないが、家庭も含めあらゆる環境や経験は要因になり得るという見解をいただきました。
そして、そもそも専門家・医療機関と繋がる事のできる時点で親が協力的な事がほとんどなので、家庭に問題のある当事者を専門家が診られる機会が少ない(だから要因=家庭の問題というのは間違いという結論に至ってしまう?)という話や、
私の場合、最初から多少は話せていたし、あの環境でなければもっと早い段階で話せるようになっていたのでは…?とも言っていただきました。(これはカウンセリングの先生にも言われました。)

今や認知度もとても高く、誰でも知っているうつ病を例に挙げると、身近な人がうつになったと聞いて、
つまりあなたの親が原因なんだね!なんて事情も聞かず、原因を勝手に決めつける人は恐らくいないでしょう。
そしてひとまとめにうつ病と言っても、それぞれが様々な事情を抱えているし、症状の重さも人それぞれだというのも当たり前に皆知っていると思います。

それと同じで、場面緘黙=親が原因だとかそうじゃないとかではなく、場面緘黙も当事者の数だけ様々な背景や病状があるという事が広まって行ったらいいなと思います。


〇私の家族に対する決断の話

恐らく多くの人が気になっていたであろう家族との一応の決着です。
遠くに引っ越して物理的にも家族の手の届かない所に行き、関わりを断つというのは前作を描き始める前からうっすらと考えていた事でした。
実録漫画を描きあげた時、自分の身に起きた事は全部自分の被害妄想だったんだ!家族ってやっぱり大事!的な事を実感する事になるのか、私の育った環境はやっぱりおかしいな…という結論になるのかというのは当時の自分にはまだわからなくて、まあでも後者だった場合は今のままではいられないだろうな…という事を思いながら、それでも当時の私には描く事でしか先に進む方法が見つからなくて前作を描き始めた記憶があります。
引っ越しが無事完了するまでは、ずっと気が気ではありませんでした。

私の育った環境については、時代であったり、土地柄や色んな複雑な人間関係・家庭の事情などとにかく色んなものが複雑に絡まり合って、ああした機能不全な家庭になるしかなかったんだな、とも思っています。
しかし全部を理解はできていなかったとしても、小さな頃からその環境を見続けていた私は「こういう事情があるんだからしょうがないよね。私にとっては理不尽でも、耐えるしか、あきらめるしかないんだ。」なんてのはず~~~~~っと思って来たことなんですよ。
事情としては理解できるものだったとしても、自分がその家庭に含まれて実害を被った以上は「しょうがない」では済まされないし、「なんてことをしてくれたんだ!」って怒りを感じてもいいし、自分もそこに取り込まれて繰り返さないように努力をすることだって必要なんだと思います。

漫画には描き切れなかった事、描けない事も沢山あり、その中には人には言えないような辛い思い出も、そして家族との幸せな思いでもあって、でもでもだって、もしも…と散々悩みましたが、残念ながら私は今の状態では何事もなかった顔で家族との関りを正常に戻す事も、全てをぶつけて仲直りするという事もできませんでした。

また漫画でも描く予定でいますが、この選択をしたことで確実に私は精神的に楽になったし、「話す」という事においてもどんどん新しい世界が見えるようになっています。

読んでくださった方も色々思う事はあるかもしれませんが、これも一個人の選択として捉えていただければ幸いです。


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場面緘黙漫画書籍化しました!
WEBに載せている「かんもく少女が~」を再構成・加筆修正し、描き下ろし&日本緘黙研究会会長による解説も加えています。

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